国家資格キャリアコンサルタント試験のKOKAGE考(9-2)備忘録2

「キャリアコンサルタント倫理綱領」

    平成28年4月1日特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会

序文

 特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会(以下「協議会」という。)は、キャリアコンサルタントの養成等に関わる団体を会員とし、キャリアコンサルティング技能検定の実施、キャリアコンサルタントの能力の維持・向上、キャリアコンサルティングの普及啓発等の事業に取り組んでいます。
 この度、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律(平成27年法律第72号)」の公布に伴い「職業能力開発促進法」の一部改正が行われ、キャリアコンサルタントの国家資格化・登録制度の創設が行われました。」
 改正職業能力開発促進法において、キャリアコンサルティングは、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」、キャリアコンサルタントは、「キャリアコンサルタントの名称を用いて、キャリアコンサルティングを行うことを業とする」と明記されています。キャリアコンサルタントは、名称独占資格である国家資格保有者として、「個人の人生設計に関わること」の責任と重要性を従前にも増して自覚し、一層高い倫理観を持って活動することが求められます。
 指定登録機関及び技能検定指定試験機関である協議会は、キャリアコンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士が相談者、組織、社会の信頼を得て自らの職業倫理を高め確かなものにする拠り所として、ここに「キャリアコンサルタント倫理綱領」を制定することにしました。本倫理綱領は、第1章にキャリアコンサルタントが自らを律する「基本的姿勢・態度」、第2章に相談者等との関係で遵守すべき「職務遂行上の行動規範」を示しています。
 本倫理綱領は、協議会に設置した倫理綱領委員会で制定し、協議会(技能士会を含む。)及び協議会に加盟する会員団体の総意として発信するものです。

平成28年4月1日
 特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会 倫理綱領委員会

本文

前文

 キャリアコンサルタントは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことを職務とする。キャリアコンサルタントの使命は、相談者のキャリア形成上の問題・課題の解決とキャリアの発達を支援し、もって組織および社会の発展に寄与することである。その使命を果たすための基本的な事項を「キャリアコンサルタント倫理綱領」として定める。
 全てのキャリアコンサルタントは、本倫理綱領を遵守するとともに、誠実な態度と責任感をもって、その使命の遂行のために職務に励むものとする。

第1章
基本的姿勢・態度

(基本的理念)
第1条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、人間尊重を基本理念とし、個の尊厳を侵してはならない。
2
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングが、相談者の生涯にわたる充実したキャリア形成に影響を与えることを自覚して誠実に職務を遂行しなければならない。

(品位の保持)
第2条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントとしての品位と誇りを保持し、法律や公序良俗に反する行為をしてはならない。

(信頼の保持・醸成)
第3条
キャリアコンサルタントは、常に公正な態度をもって職務を行い、専門家としての信頼を保持しなければならない。
2
キャリアコンサルタントは、相談者を国籍・性別・年齢・宗教・信条・心身の障害・社会的身分等により差別してはならない。
3
キャリアコンサルタントは、相談者の利益をあくまでも第一義とし、研究目的や興味を優先してキャリアコンサルティングを行ってはならない。

(自己研鑚)
第4条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングに関する知識・技能を深める、上位者からの指導を受けるなど、常に資質向上に向けて絶えざる自己研鑚に努めなければならない。
2
キャリアコンサルタントは、組織を取り巻く社会、経済、環境の動向や、教育、生活の場にも常に関心をはらい、専門家としての専門性の維持向上に努めなければならない。
3
キャリアコンサルタントは、より質の高いキャリアコンサルティングの実現に向け、他の専門家とのネットワークの構築に努めなければならない。

(守秘義務)
第5条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを通じて、職務上知り得た事実、資料、情報について守秘義務を負う。但し、身体・生命の危険が察知される場合、又は法律に定めのある場合等は、この限りではない。
2
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの事例や研究の公表に際して、プライバシー保護に最大限留意し、相談者や関係者が特定されるなどの不利益が生じることがないように適切な措置をとらなければならない。

(誇示、誹謗・中傷の禁止)
第6条
キャリアコンサルタントは、自己の身分や業績を過大に誇示したり、他のキャリアコンサルタントまたは関係する個人・団体を誹謗・中傷してはならない。

第2章
職務遂行上の行動規範

(説明責任)
第7条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者に対してキャリアコンサルティングの目的、範囲、守秘義務、その他必要な事項について十分な説明を行い、相談者の理解を得た上で職務を遂行しなければならない。

(任務の範囲)
第8条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、自己の専門性の範囲を自覚し、専門性の範囲を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
2
キャリアコンサルタントは、明らかに自己の能力を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
3
キャリアコンサルタントは、必要に応じて他の分野・領域の専門家の協力を求めるなど、相談者の利益のために、最大の努力をしなければならない。

(相談者の自己決定権の尊重)
第9条
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者の自己決定権を尊重しなければならない。

(相談者との関係)
第10条
キャリアコンサルタントは、相談者との間に様々なハラスメントが起こらないように配慮しなければならない。また、キャリアコンサルタントは相談者との間において想定される問題や危険性について十分配慮してキャリアコンサルティングを行わなければならない。
2
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者との多重関係を避けるよう努めなければならない。

(組織との関係)
第11条
組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境への働きかけに努めなければならない。
2
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングの契約関係にある組織等と相談者との間に利益が相反するおそれがある場合には、事実関係を明らかにした上で、相談者の了解のもとに職務の遂行に努めなければならない。

雑則

(倫理綱領委員会)
第12条
本倫理綱領の制定・改廃の決定や運用に関する諸調整を行うため、キャリア・コンサルティング協議会内に倫理綱領委員会をおく。
2
倫理綱領委員会に関する詳細事項は、別途定める。

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